入院患者さまから学んだこと、精神科医療に長年携わってきてわかったこと。
病院には「よい医療」と「よい環境」の両方が必要です。
私たちが一番大切にしていることは「思いやり」です。
豊かな人間生活には豊かな環境(人の温もり・空気感・安心感)が必要です。
まして傷ついた人には、それに加えてよい医療が必要です。
だから、自然のぬくもりと、人のやさしさがいっぱいの病院をつくりました。
環境のよい病院は、患者さまにゆとりと静けさをもたらします。
そしてスタッフの笑顔、精神医療のプロとしての心遣い、患者さまに対する尊厳の保障。
よい環境のなかでよいチーム医療を尽くすこと、
これこそが精神療法と考えています。
よい精神医療のプロ・チームと、よい環境が揃うと、患者さまの回復が早まります。
心地よい環境で満足感を得て過ごすことで、治療上の相乗効果が得られるのです。
ベッドサイドから眺める花々、目に沁みる緑、木漏れ陽、田園風景、
雨音、都心郊外のさわやかな風 —— 豊かな自然の気配がちゃんとあります。
太陽の恩恵を全身で味わうために、自然採光はできる限り大きくとりました。
患者さまの体と心のすみずみに、五感に、自然の恵みが空気のように穏やかに届くように、感じるように。